成果実績

NAGOYA ICT INNOVATION LAB.

大岩 弘人(有限会社センテック)

2022.03.30 更新

経歴

高校を卒業後、自動車部品の製造会社に7年間勤務した後、有限会社センテックに転職。入社当時はパソコンを使った仕事が苦手で「IoT」や「プログラミング」といったことに無縁な状態でした。入社して間もなく社長から唐突にNAGOYA ICT INNOVATION LAB.に「一緒に参加しよう」と言われたことがきっかけでこの企画に参加しました。この企画のおかげで今ではCADで図面を製図して3Dプリンターで治具を作成したり、基礎的なプログラミング言語の習得をすることができました。

新規事業の内容

ケーブル加工の作業をする際に誤配線が多く、人の手で確認するには限界がありました。しかし、検査機を各作業者に導入したいと考えた時にメーカー物だと非常に高価で作業スペースもかなり使用することから、容易に導入することができませんでした。
そこで、ハーネスやケーブルの配線が正しく導通しているかを確認することができる検査機の自社開発を進めています。「センテック製、ハーネス・ケーブル配線チェッカー」。
この検査機は簡易的な作りになっており、電源スイッチを入れて検査したい対象物をコネクターに接続し、レバーを時計回りに回すと検査が始まります。正しく導通されていればLEDライトが光る仕組みになっており、導通されていなければLEDライトは光らないようになっています。
アナログチックですが、検査のみに特化した製品になっており、従来の検査機と比べると価格も1/10程度、大きさも500mlのペットボトルよりも小さいサイズになっているため、検査機を導入したい企業や作業者にとって手軽に導入できるようになっています。

影響を受けたプログラムと変化

NAGOYA ICT INNOVATION LABには、実は昨年の2020年度にも参加させて頂きました。
この製品の筐体は、その時の「3D CAD&筐体プロトタイピング」の研究会プログラムで得た知識をベースに作成しております。それに合わせて2021年度の「AI・IoT実践プロトタイピング」の研究会で基礎的なプログラミングを学び、アナログ重視だったこの製品に「マイコン」を筐体の中に導入してみようという発想が浮かびました。
「マイコン」を導入することで、検査記録を自動で管理者PCにデータを送ることができると同時に、エビデンスも取得することでアナログな部分を更に強化しようと思いつきました。

今後の展開

今回参加させていただき、様々な方からアドバイスをいただけたことで、2パターン販売できるように現在検討をしています。1つ目は「検査のみ」で売り込んだ方が良いという意見があったので、あくまで検査のみで現状の製品のコネクタ部を改良して販売できる状態にしていこうと考えています。2つ目はラズパイ等の「マイコン」を導入できるように考えています。
私自身、この企画に参加させていただくまで「AI・IoT」といった知識が全くない状態で、自分とは無縁と思っていました。しかし、この企画に参加させていただいて3Dプリンターで治具を作成したり、プログラミング言語を学べたりと、今までの自分にはなかった技術が身についてきたので、今後もこの経験を活かし事業化を目指していこうと思います。