成果実績
田中 えりか(Purple Spoon)
2021.06.22 更新
経歴
広島県生まれ。親戚が作ったお米で育ち、全ての人に身近な「食」を通して社会貢献したいという想いから10年以上食の仕事に携わっています。「食の多様性のある社会を実現したい」というプロジェクトが有志で立ち上がりました。きっかけは、健康上の理由からヴィーガン(※ベジタリアンの一種)食を実践している仲間が「生きづらい」と発した一言です。彼女が理想の食事を続けるには、対応する飲食店や食料品の流通が少なすぎるのが現状です。普段は自炊や手作りドリンクで過ごしていますが、友人や同僚との食事の場で困ることが多く社会生活と食生活の両立に困難を抱えています。そんな仲間の「生きづらさ」を少しでも解消したいという想いがプロジェクトの原点です。私たちの夢は、誰もが楽しく同じテーブルを囲める世界をつくることです。ヴィーガンの彼女以外にも、健康や宗教上の理由から、おいしいレストランに行き、メニューから食べたいものを選び、会話とともに楽しむ。そんな当たり前のことができない人が、この世界には沢山います。寂しい、不安な思いをしながら食事をする人の存在を知ってもらうこと、そして多様な食の選択肢を増やすことが重要だと考えています。
新規事業の内容
心と体と地球に優しい、究極のヴィーガンアイスクリームを通して、
食の多様性のある社会を実現します。
心:本当においしいアイスクリームでご褒美時間・ストレス解消
体:おいしく食べて必要な栄養素を摂取
地球:動物性原料不使用で、環境負荷を低減
私たちは食の多様性のある世界をつくる第一歩として、アイスクリームを選びました。みんなが好きなアイスクリームを通じて食の多様性を体感して頂きたいからです。Purple Spoonというヴィーガンアイスクリームのブランドをたちあげ、まずは日本一のヴィーガンアイスクリームを目指します。ヴィーガンだけでなく、誰もが日常的に食べるアイスクリームとして、日本中にそして世界に広げていきます。そのために、まずはオンラインでの販売を始めます。オンライン販売が成功したら、Purple Spoonの店舗をオープンしたいと考えています。店舗は様々な食のニーズがある人が集まって、一緒にアイスクリームや食事を楽しめる場所にします。どんな食のスタイルでも、一緒にテーブルを囲むことができる。そんな社会をまずは私達のアイスクリームから実現していきたいです。
参加当時の現状
仲間とともにヴィーガンアイスクリームをつくろうという話は決まっていました。でも、ターゲットやビジネスモデル、商品設計、目指す組織のカタチなどはモヤッとした状態でした。プログラムに参加することで、具体的なアドバイスをいただき、事業をブラッシュアップしたいと思い参加を決めました。
影響を受けたプログラムと変化
スタートアップ・セミナーで影響を受けたのは、1回目の起業家としてのマインドや組織の規模のお話でした。スタートアップという言葉からは、ビジネスを大きく展開し、事業売却が目標といった組織もある中で、わたしたちが目指している事業は、商品を提供することで社会貢献をしていると自信を持って言えるぐらいの売上がちゃんとあり、かつ存在感もあってサスティナブルな組織なのだと、目指す組織のイメージが湧いたことがとても参考になりました。参加当初はビジネスアイディアがぼんやりしていたと思います。ターゲットやペルソナのことを考えてはいたけど、様々な要素を入れ込み過ぎていたと気づきました。このプログラムを通じて取捨選択ができるようになり、白木さんからのフィードバックや参加者からの率直な意見をもらえたことで、必要なことと必要じゃないことを客観的に捉え考えることが出来るようになったと思います。それから、ギフト・ショーに出展するという機会をいただけたことは、とてもありがたかったです。2月のギフト・ショーをひとつの目標と掲げることで、モチベーションもキープできました。準備のために仲間とともにアイスクリームの試作を何度も繰り返し、最終的に5種類の味に絞り込こみました。ブランド名や商品パッケージデザインなど、参加者のみなさんからの意見も参考にしながら最終的な案にたどりつきました。白木さんや中島さんとの個別相談では、自分だけだと気づけなかった検討要素に気づくことが出来ました。当初は通販で売っていこうと思っていましたが、それ以外の販売ルートもあるんじゃないか?という問いかけをいただき、視野が広がりました。「お客様に届ける」までを最終目的とするのではなく「お客様に届けて、食べてもらう」までを目的とするなら、ヴィーガン専門店の店頭に置いたり、ヴィーガンを好むレストランへ卸したりと、別の視点から販売先の可能性に気づくことができました。
今後の展開
4月にクラウドファンディングをスタートし、応援してくださる皆様のお陰で、目標金額の100万円をわずか4時間半で達成しました。大幅に目標を上回る275%の達成を実現し、現在は支援者の皆様にお届けするアイスクリームの商品試作やパッケージのデザインを進めています。販売先については、オンラインを中心に、ポップアップや店舗、レストランやホテルなどへの販売も視野に入れながら販売先を開拓していければと考えています。将来はヴィーガンアイスクリームだけでなく、プリンやスープなど、商品の横展開、実店舗の経営も視野に入れながら、事業の拡大を実現出来ればと考えています。