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2日間にわたって開催された 東海地区最大規模・スタートアップの祭典 『TOCKIN' NAGOYA 2023』開催レポート
TOCKIN' NAGOYA 成果報告 お知らせ
2023.03.21
『TOCKIN’ NAGOYA 2023』は、愛知県、名古屋市、中部経済連合会、大学(Tongali)がタッグを組み、東海圏のスタートアップを熱く応援する祭典です。名古屋・栄のナディアパークデザインセンタービルで、3月21日・22日と2日間にわたって開催されました。アイデアとテクノロジーが交差する最前線、イベントでの熱気を追体験してください。
Day1
最新テクノロジー体験
1. オープニングセレモニー
Aichi-Nagoya Startup Ecosystem Consortium事務局の名古屋大学スタートアップ推進室の佐橋学氏による本イベントの説明に続き、名古屋市長の河村たかし氏、名古屋大学総長の杉山直氏より主催者挨拶の後、Aichi-Nagoya Startup Ecosystem Consortium事務局名古屋市スタートアップ支援室鷲見敏雄氏よりCentral Japan Startup Ecosystem Consortiumの取組み紹介がありました。
続いて各プログラムの担当者7名がステージにあがってそれぞれの見どころをアピールし、会場の雰囲気も盛り上がってきました。
そして、いよいよ祭典の幕開けを彩るゲストの登場!
愛知県出身アーティスト、SEAMOによるスペシャルライブと、落合陽一氏による基調講演という豪華ラインナップです。
ステージ中央にはDJブース、SEAMOの代表曲「ルパン・ザ・ファイヤー」を皮切りに会場は一気にヒートアップ!続いて披露されたのは「マタアイマショウ」、リリックが心に響く名曲です。ここでSEAMOからのメッセージ、諦めなければ夢は叶う、続けることの大切さを歌った「Continue」で本イベントの参加者へエールを贈り、ライブの締めくくりとなりました。
ライブステージで熱気冷めやらぬ中、お待ちかねの落合陽一氏による基調講演がスタート。
研究者であり、メディアアーティストでもある落合氏を迎え、「研究者が社会にインパクトを与える意義について」というテーマでお話しいただきました。登壇してまず「今日の参加者の属性は…」と会場をぐるっと見渡して聴衆に2〜3質問すると、彼のPCと画面共有して映しだされたスクリーン上で、「よし、今日はこの話をしよう」と始まりました。
「ここ数日、Open AI社がリリースした対話型AI(人口知能)の最新モデル、Chat GPT-4で遊ぶのが好きなんですよ」と入力画面に指示を書き込んでプログラムを自動生成させたり、私たちの興味関心を惹きつけながら話はどんどん進んでいきます。一見難解な概念と思われる話も、彼が紡いでいく言葉はサラサラと私たちの脳内に入ってきて、豊かにイメージが広がっていく心地よい感覚。目の前で起こっている事象と概念の間を行き来しながら独特の論調で繰り広げられる話に、一言たりとも聞き逃したくない、と会場が一体となって彼の言葉に耳を傾けていました。
最後の質疑応答では、「大学は生き残れるのか」と名古屋大学総長からの言及が。その問いにも、飾らない言葉で今後起こるであろう2方向の可能性を述べたあとに、「それでも我々研究者にはまだまだやれることがある。」と明るい未来を示唆して講演会は幕を閉じました。
2. Tongali Demoday 2023
現役大学生によるピッチイベントです。東海地区の21大学が連携して、アントレプレナーシップ教育、大学発スタートアップ支援を行う「Tongaliプロジェクト」。今年度開催された「Tongaliビジネスプランコンテスト2022」および「Tongaliアイデアピッチコンテスト2022」の入賞チームによるピッチが行われました。
参加チームは10(アイデアピッチコンテスト入賞チーム4、ビジネスプランコンテスト入賞チーム6)で、それぞれ発表+コメンテーターによる質疑、とピッチはリズムよく進んでいきます。
コメンテーターは以下の7名の方々です。
- 株式会社LEO 代表取締役CEO
粟生 万琴 氏 - 株式会社ニューズピックス アカウントストラテジーグループ ビジネスディレクター
川上 裕太郎 氏 - 日本ベンチャーキャピタル株式会社 専務執行役員
北岡 侑子 氏 - StartupBrain株式会社 代表取締役
堤 孝志 氏 - FiberCraze株式会社 代表取締役社長
長曽我部 竣也 氏 - 株式会社電通 ソリューションクリエーションセンター プロジェクトディレクター・ビジネスデザイナー
西井 美保子 氏 - Beyond Next Ventures 株式会社 執行役員
橋爪 克弥 氏
(※ 氏名五十音順)
藤田医科大学で中枢神経疾患治療の研究を行っているメンバー「Zerony(ゼロニー)」による「毛の悩みをゼロにする」というコンセプトの「腸からのアプローチによる発毛制御」のアイデアや、岐阜大学発「ARTKAKE(アトカケ)は、芸大生の作品が捨てられている問題に着目し、(フードロス問題のように「アートロス」ととらえる)「アートを大衆化したい」という想いのもと発案した「伴走型アーティスト育成プログラム」など、多彩なプランが発表されました。それに対してコメンテーターより「マネタイズは?」「海外での先行事例は?」「顧客の声は直接拾っていますか?」など活発に議論が繰り広げられ、あっという間の2時間30分でした。
締めくくりは、コメンテーターを代表して株式会社ニューズピックスの川上 裕太郎 氏からの講評です。
「年間1000件くらいピッチをみているが、今日は圧倒的な熱量を感じた。ビジネスに仕上げていくにはもっと外の人と相談するといい。皆さん入賞時よりさらに進化していて、事業相談を個別にしていくフェーズにきている、と思った。ビジョンを語っているチームとそうでないチームがあったので、ビジョンを掲げてウィルを持って進んでいくといい」と今後のヒントもいただき、盛況のうちに幕を閉じました。
3. トークセッション「人生の選択肢に起業という考えを」
起業に挑戦している学生・社会人が、心境や事業への想いなどを未来の挑戦者に語るセッションです。
講演・ファシリテーターは、株式会社UNERI 代表取締役CEOの河合将樹 氏で、パネリストは以下の4名です。
- ふふふ 伊藤心春さん、渡辺ひかりさん
- RoboFutureNagoya 赤見坂篤記さん
- 山本裕晃さん
参加者は大学生を中心に、高校生や20~30代の社会人の姿も見られました。実際にこれから起業を考えている方も多く参加しており、パネラーの皆さんの熱量あふれる話、悩みや不安も交えた生の体験談が刺激になったのではないでしょうか。
4. 大学起業部対抗「起業部の知識・営業力は?」
各大学の起業部が参加し、起業に関するクイズや営業力を競いあうこの企画。
最近何かと話題の起業部は、どれぐらいビジネスに関しての知識・能力があるのでしょうか。
<参加大学>
- 名古屋大学
- 名古屋工業大学
- 明治大学
- 九州大学
全国から起業部の大学生12名が集結。大学生ならではの活気あふれるやりとりで、誰よりも登壇メンバーが楽しみながら対決していたのが印象的でした。1問ごとに来場者との掛け合いが生まれ、会場が一体となって盛り上がりました。
まずはビジネスに関するクイズ対決。社会人のビジネスマンでも答えられるかわからないような難題も、問題文を読み終える前に各大学が競い合って早押しするほどの大接戦!名古屋工業大学と明治大学が同点のまま、営業対決へ。
営業対決では、組み立て知育玩具の「TEGUMI(テグミー)」を提供する株式会社エドギフト村松氏より、商品の簡単な説明を受けたあと、大学別にそれぞれ個性あふれるプレゼンを行いました。
=交流・サテライト会場=
ここで参加者の皆さんの休憩スペースでもある、交流・サテライト会場からレポートです。
初日は「八0吉(やおきち)」と「BAUM HAUS(バウムハウス)」の2店舗がランチボックスを販売。
Deli BAUM HAUSからは、「TOCKIN’ RICE BOWL」(500円)。フードアレンジャー・キムラカズヒロ氏がプロデュースするデリカテッセンのランチボックスの中身は…三河赤鶏の唐揚げ、竹鶏たまごの煮卵に九条葱のハーブマリネ、かき揚げ野菜のお浸し、人参のスパイシーカレー風デリ、三河赤鶏と白菜のオイスターソース炒め等が雑穀米の上に彩りよく盛られた栄養満点の逸品。
そしてもう一品は「八0吉」のカレーランチボックス(800円)。
「八0吉」は大学生がコロナの時期に自分たちで立ち上げたカレーのデリバリー店。子どもでも食べられる、‘辛くない’風味豊かなスパイスカレーです。この日のランチボックスの焼き野菜はにんじんでした。私たち取材スタッフもランチをパクリ。
ここ交流会場には出展企業ブースが設けられ、自社サービスの紹介パネルが展示されていました。
ランチ休憩する人、参加者同士で名刺交換したり歓談する姿が見られました。
5. Gapファンドプログラム成果報告会
続いては大学の研究成果を生かして事業化するための支援、「Gapファンドプログラム」の成果報告会です。JSTの事業である大学発新産業創出プログラム(START)の起業活動支援プログラムを活用して、東海地区の8大学の中から44チームがエントリーし、選抜された18チームが登壇。10ヶ月間の仮説検証プログラム、メンタリングや壁打ちを経てブラッシュアップしてきた事業プランの発表です。将来のスタートアップを目指した有望なシーズに対して、発表を見守る13名のメンターの方々からのコメントも相次ぎました。
各チームのピッチの締めくくりに、MTGベンチャーズ藤田豪氏からの総評がありました。「どのチームも素晴らしいピッチでした。すでに起業して上場をめざしている先生方もいらっしゃいます。5年で10兆円規模の投資を目指す『スタートアップ育成5か年計画』という国の方針も示されたこともあり、起業にはいい時代となってきました。これから起業するには仲間づくりが大切、大学の外にでて、どんどん仲間探しをしていただきたい。これからのさらなる進捗を期待しています。引き続き頑張ってください。」とエールをいただきました。
6. International Student Startup Series –From Researcher to Entrepreneur
大学の研究は生活をより豊かにしてくれるものがたくさんあります。
しかしその研究成果を社会実装するために、起業をすることはまだメジャーにはなっていません。
特に外国人の方の研究の知的財産の保護や、居住ビザを取得するなどの法的な制限があると、より困難になります。
今回のセッションでは、イギリスのバーミンガム大学のLeigh Canham博士などをお招きし、研究成果を商品化し、「スタートアップビザ」を発行する方法を実際の経験なども交えて、お話しいただきました。
7. スタサポ・ピッチ&展示交流会 INNOVATOR’s DAY
展示企業がグループに分かれ、自社サービスについてリレー形式のピッチを行いました。各展示ブースの前で行われたピッチには、関心を持った方からさまざまな質問やコメントが飛び交い、展示企業と参加者との間で活発なコミュニケーションが行われていました。
最新テクノロジー体験
イベントスペースでは3つのワークショップが行われました。その様子をレポートします。
プロのモーションアクターが指導!モーションキャプチャー&VR体験
「モーションキャプチャー」とは、人やモノの動きをデジタルデータにする技術のこと。
アニメやゲーム、映画などのCGキャラクターの動きやスポーツの動作解析など、様々な用途で利用されています。
今回のワークショップでは、700タイトル以上のモーション収録実績を持つ名古屋拠点のモーションアクター集団「活劇座」代表取締役でモーションアクターの第一人者である古賀亘氏がアクションを直接指導してくれました。
ドローン操縦体験
専用ゲージの中で飛行型ドローンの操縦体験ができるワークショップです。自動離陸、障害物を潜り抜け、着陸ポイントまで誘導をする約3分間の体験に、小学生から大人まで緊張した面持ちで操縦に没頭していました。
eモータースポーツ体験
リアルシミュレーターゲーム「グランツーリスモ」を使用した本格的なレース・ドライビング体験。音もレース会場にいるかのような臨場感!小さな子どもも大人の膝の上に乗って体験できるとあって、幅広い年代の方で終始賑わっていました。