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2日間にわたって開催された 東海地区最大規模・スタートアップの祭典 『TOCKIN' NAGOYA 2023』開催レポート
TOCKIN' NAGOYA 成果報告 お知らせ
2023.03.22
Day2
1. 世界に挑戦するスタートアップのトークセッション
「起業家が語るスタートアップの海外展開の魅力」
『TOCKIN’ NAGOYA 2023』2日目最初のイベントは、海外市場展開に取り組むスタートアップの方々をパネリストに迎え、海外展開の魅力や経験について語っていただくセッションです。愛知県スタートアップ推進課の冨樫氏による、愛知県の海外展開支援プログラムの概要説明で始まり、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社の谷本氏による、アメリカ・シンガポール・中国のマーケットトレンドの紹介後、フォースタートアップス株式会社の小田さんをファシリテーターに、ディスカッション形式で進行しました。
プログラム
- 愛知県の海外展開支援プログラムの概要説明
- アメリカ、シンガポール、中国のマーケットトレンドの紹介
- 登壇スタートアップによる自社の紹介
- スタートアップと海外展開に成功している先輩起業家を交えたパネルセッション
<パネリスト>
- 株式会社Acompany 取締役副社長 海外事業責任者 近藤岳晴 氏
—秘密計算を中心としたデータ連携に関するプライバシーテックのサービスを提供 - KUROFUNE株式会社 代表取締役 倉片りょう 氏
−在日外国人向けの生活支援アプリを提供 - 株式会社ナノシーズ 代表取締役社長 島田泰拓 氏
—車載用電池に用いられる様々な材料に関する分析・測定機器の開発
<パネリスト・先輩起業家>
- AZAPA株式会社 事業企画部長 楊偉佳 氏
—モビリティを中心とした領域での機能・性能設計、制御最適化、計測適合などの開発及び製品化 - ICONIC Co.,Ltd CEO & Founder 安倉宏明 氏
—ベトナム・ホーチミンにて創業。人材紹介事業、組織人事コンサルティング事業、HR Tech事業を日本からアジアにかけて展開。
ベトナム(ホーチミン、ハノイ)、インドネシア(ジャカルタ)、日本(東京)、マレーシア(クアラルンプール)に事業展開。
<ファシリテーター>
- フォースタートアップス株式会社 アクセラレーション本部パブリックアフェアーズグループ マネージャー 小田健博 氏
—愛知県、広島県、浜松市、京都市などのスタートアップ支援事業に携わり、日本のスタートアップエコシステム構築、海外との連携強化を担う。
ここからはパネルディスカッションの様子を一部抜粋してお届けします。
小田氏
皆さんにお尋ねします。なぜそもそも海外展開をしたんですか?
安倉氏
2003年に大学を卒業して社会人になった頃、日本はITブームに湧いていました。ところが2006年にライブドアショックでITベンチャーが一時的にシュリンクした状況に。今後人口が減って内需が下がる日本ではなく、人口が増えている海外へ行こうと思い立ち、当時勤めていた会社を辞めてベトナムへと渡りました。
小田氏
2000年代後半、閉塞感を感じていた方々が海外へと目を向けていた時期ですね。
安倉氏
今はエコシステムができて支援も手厚くいい時代になったと思う。当時、私はベトナムで何のコネも資金も情報もありませんでしたから。
楊氏
私は日本で10数年ビジネスをしてきましたが、今後は海外へ進出する必要があると感じています。中国出身なので、まずは中国へ展開したいと考えています。
倉片氏
前職は外資のメーカー勤務で、仕事をしながら年に12カ国ほど海外へ行っていました。主に東南アジアのローカルなエリアへ行っていたんですが、そこで現地の人の日本へのネガティブな印象に危機感を抱いて在職中に起業しました。その後、事業一本でやっていこうと決めて、勤めていた会社を辞めました。
近藤氏
私の場合は2つ軸があると思っていて。ひとつは会社を大きくしたいというマインドセット。ふたつめに「プライバシー保護」はニーズがあったということ。日本には多国籍企業が多くありビジネスもグローバルに広がっています。GDPR(「EU一般データ保護規則」:EU域内の各国に適用される法律で個人情報の扱いについて規制を行っている)に対応する必要があった日本企業のニーズを拾って事業をスタートしましたが、現在は逆軸でヨーロッパ拠点のビジネス開発も手がけています。
〜(中略)〜
小田氏
‘海外のリアル’として感じていることをお聞かせください。
安倉氏
私は東南アジア圏が得意なのでその話を。とにかくエネルギーを肌で感じます、来たらわかります。GDPも伸びているので、「チャンスしかない」と私は思っています。特にインドネシアですね。海外に出たくない人は出なくていいし‘やりたい人がやればいい’と思うんだけど、チャレンジしてみるのは面白いですよ。海外でビジネスをしていて感じるのは、日本は産業構造や商習慣が独特だということ。日本で成功したシステムを海外に持っていっても通用しないので、ローカライズは必要です。
小田氏
確かに、日本というガラパゴスで成熟したものを海外に持っていってもうまくいかない。
倉片氏
とはいえ昔に比べたら海外展開しやすいかな、と思います。去年シンガポールに3週間ほど愛知県のプログラムで行ったんですよ。コワーキングスペースが安く利用できたり、JETROのコワーキングスペースを出張ベースで使えたりするのでありがたいです。人口減少でシュリンクする日本マーケットでビジネスをするより、スタートアップで世界に出て行った方が可能性はある。ベトナムはGDPが毎年5〜6%の成長率ですし、インドネシアも4%。コワーキングスペースにいけば結構どうにかなるものです。私もセブ島で、エンジニアを一緒に探してもらっていい人材に出会えたりしたんですよ。
小田氏
近藤さん、北米市場はいかがですか?
近藤氏
私たちの事業ドメインでいうと、北米は2029年までに市場規模が3兆円になると言われています。私も出張ベースでしか行ったことないのでわからないですけど、アメリカ西海岸の格差はすごいな、と感じます。とにかく物価が高くて「2つ3つ職業を掛け持ちしないと家賃が払えない」などと耳にするので、アメリカに関してはひずみがあるのかな、と。ヨーロッパは、EU全体にすると高いけど各国のGDPはそんなに高くないので、割と早い段階で英語圏への進出をはかっています。
小田氏
楊さん、中国のマーケットについてお聞かせください。
楊氏
爆買い、イーコマース、アリババ、と様々なキーワードがありますが、クラウドや自動運転に力を入れている企業が増えています。国は脱エネルギーの方向へ舵をきっているので、その関連も伸びていますし、何より人口14億人の巨大マーケットですから。
近藤氏
自社のシーズがどの地域のニーズに刺さるのかをしっかり把握することが大事だと思います。刺さるとわかったら資金を投入していく。
倉片氏
愛知県の支援プログラムで勧めてもらい、シンガポールに行って知見が広がったという経験がありますので、あいち・なごや海外連携アクセラレーション事業—BEYOND—などのプログラムに参加してみて、まず海外に目を向けてみるのもオススメです。まずは見てみる、という柔軟な姿勢が大事かな、と。私たちは現在、アプリのローカライズ版で、台湾や韓国など多国展開を予定しているところです。
安倉氏
私がメッセージとしてお伝えしたいのは、「人生を楽しんで欲しい、そのひとつの選択として、海外でのビジネスチャレンジも面白い」ということ。お隣の韓国からはベトナムに多くの企業が進出しています。必要に迫られた際に、日本の成長のために、海外へ進出、もしくは海外から呼び込む動きがどうなっていくのか、見ていきたいと思います。
小田氏
ちょうどWBCの決勝の最中ですけど、現在はメジャーリーグで活躍する日本人もたくさんいますよね。先を歩んで道を示してくれるモデルケースが結構身近にいるので、「せっかく日本はパスポートの自由度も高いんだからまずは行ってみる。環境は整っているので行かない手はない」ですよね。
パネルディスカッション終了のタイミングで、「WBC日本優勝!」のニュースが飛び込んできました!
2. Tongali大学発 ベンチャー企業の集い「ベンチャーズトーク2023」
午後イチのイベントはこちら。JSTの事業である「START大学・エコシステム推進型スタートアップ・エコシステム形成支援の起業活動支援プログラム」に参画した大学から生まれた革新的なシードステージの大学発ベンチャーが登壇します。
会場を見渡すとスーツ姿の方々で席が埋め尽くされています。名古屋大学 学術研究・産官学連携推進本部 知財・技術移転部門 部門長の鬼頭雅弘教授より開会の挨拶があり、大学発8社によるベンチャーズトーク、スタートです!
コメンテーターは以下の2名です。
- Beyond Next Ventures株式会社 執行役員/パートナー 橋爪克弥 氏
- 株式会社ユーザベース INITIAL事業執行役員CEO千葉信明 氏
名古屋大学発のベンチャー、FAINZY TECHNOLOGIES株式会社は「知的な自動運転技術」を生かしてレストラン配膳ロボットを提供しています。コメンテーターの千葉氏からの「なぜ配膳ロボットなんですか?」という問いに、代表のジュード氏は「環境が室内だからです。安全性を担保しながら早く動くことを意識しました」と答えていました。
静岡大学発、S-Bridges株式会社は未利用農作物の植物細胞に含まれるたんぱく質や食物繊維などの有用成分を抽出・分離濃縮を可能にする技術を生かし、お茶からたんぱく質を抽出するアイデアを実用化しています。「静岡県をたんぱく質の供給基地に」というメッセージの発信と出資希望者や共に働く仲間の募集を呼び掛けていました。
コメンテーターの橋爪氏からの問い「未利用の資源再活用について、価格の優位性や活用法についてはどう考えているか」には、「資源の仕入れに関しては、もともと企業側が1kgあたり40円の焼却代金を支払っているところからのスタートのため、価格優位性はあると考えている。また活用法については、資源提供企業を巻き込んで考えている。」とのやりとりがありました。
8社のピッチ終了後、Beyond Next Ventures株式会社の橋爪氏より閉会の挨拶として「東海エリアのスタートアップ界隈のコミュニティー力はすごい、と感じている。ぜひしっかりと環境を使ってもらいたい。出資側からのアドバイスとして、お客さんのニーズをもっと明確にするといい、と思った。具体的にお客さん像が描かれていると説得力が高いので、ぜひお客さんの元にどんどん足を運んで情報を集めてください。また、このピッチのゴールは‘次のアポを取ること’だと思うので、ピッチに参加する目的を明確にするといい。つい喋り過ぎてしまい、聞く側からすると情報過多になってしまう傾向にあるので、いかに次のアポにつなげるかに配慮するとより良くなると思う。」とお言葉をいただきました。
3. 2022年度に愛知・名古屋地域で活躍したスタートアップを表彰するイベント開催!
「TOCKIN’ NAGOYA 2023 Awards」
2日間にわたって開催された『TOCKIN’ NAGOYA 2023』も、いよいよ最終プログラムです。
名古屋市経済局スタートアップ支援室の正木彩恵子氏より「2日間のご参加ありがとうございました。東海地区でのエコシステム形成に向けてさまざまな取り組みをしてきました。『TOCKIN’ NAGOYA 2023』もその取り組みのひとつです。本イベントの締めくくりにふさわしい取り組みとして、今回はアワードを企画し、学生にも社会人にも投票に参加していただきました。ぜひ最後まで見守ってください。」と挨拶がありました。
アワードはこの3つです。参加者からの投票で選ばれた方々に登壇いただきます。
TOCKIN’ NAGOYA 2023 Awards
- 学生が選ぶ新しいことにチャレンジした魅力ある学生賞
- 学生が選ぶ今年活躍したスタートアップ企業賞
- 働いてみたいまたは魅力あるスタートアップ企業賞〜学生編・社会人編〜
コメンテーターは以下の3名です。
- 粟生万琴 氏(株式会社LEO 代表取締役CEO なごのキャンパス企画運営プロデューサー)
- 千葉信明 氏(株式会社ユーザベース INITIAL事業執行役員CEO)
- 平山雄太 氏(名古屋大学 客員准教授)
名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部 スタートアップ推進室の河野 廉教授より受賞者の発表をしていただきました。
栄えある第1回アワード、
「学生が選ぶ新しいことにチャレンジした魅力ある学生賞」を受賞したのは
菅原和真さんです!
受賞コメント
「光栄です。このあと10分ピッチが控えているので緊張しています。後ほどのピッチを楽しみにしてください」
投票者から「名大起業部の創設に携わり、名古屋のスタートアップエコシステムに大きな影響を与えている。」「様々な企業でインターンをしながらも自らの意思を通るため、ビジコン等にも出場してたから。」などの声が集まりました。
おめでとうございます!
続いて「学生が選ぶ 今年活躍したスタートアップ企業賞」&「学生が選ぶ 働いてみたいまたは魅力あるスタートアップ企業賞」
なんとW受賞、株式会社Acompanyです!
高橋亮祐氏がステージへ。会場からも声が上がりました。
受賞コメント
「栄えある最初のアワードで2部門受賞させていただき光栄です。引き続き精進していきます。ありがとうございました」
投票者から「積極的に今の大学生世代に知見を共有し、愛知のスタートアップエコシステムを創出している。」「秘密計算の分野において、大手との提携や資金調達等でメディアでよく見た。」などの支持が集まった結果のW受賞です。
そして「社会人が選ぶ 働いてみたいまたは魅力あるスタートアップ企業賞」の発表です。
受賞したのは…株式会社TOWINGです!
受賞コメント
「本日は弊社代表の西田ではなく、沖がこの場にまいりました。皆様のお力を借りてこれからも頑張っていただきたいと思います。」
ここからは各受賞者によるピッチです。
トップバッターは、「学生が選ぶ新しいことにチャレンジした魅力ある学生賞」を受賞した菅原和眞さんです。
「個人にいただいた賞ですので、私自身のこの1年を振り返ってみました。
2022年3月に名大起業部を創設し、創業メンバーとして1年奮闘しました。今年度はアドバイザーです。また、株式会社VMKでインターンを始めて、2022年4月Voltageの運営に携わり2022年度はVoltage新栄町の運営代表、2023年度は名古屋2拠点の代表を務めました。そしてAZAPA株式会社の援助のもと2022年10月に新規事業を立ち上げるも頓挫。起業は手段、志を事業にしないと続かないことを痛感します。
自分の志を見極めるため2ヶ月の月日を費やし、納得感のある人生を歩もう、と個人事業主で塾を始めました。ピボットしまくっていろんな人にお世話になりチャレンジしまくりました。現在名大2年生、休学して選択と集中の年にしたいと考えています。
さかのぼること高2の冬。コロナ休校あけ最初の模試で散々な結果となりました。そこで私はWi-Fiのない空き家に2ヶ月こもって勉強に没頭します。ここでの成功体験から「環境と巻き込み力が大事」ということを学びました。でも私には3つの苦手な質問があります。それは「趣味はなんですか?」「得意なものはなんですか?」「好きなことはなんですか?」です。圧倒的な才能や原体験がないゆえに、こだわりが極端に少ないことがコンプレックスだったのです。でもある方に「何もないから何も拒まない、それが和真くんの強みだよ」と言っていただきました。これが昨年度一番響いた言葉です。
コメンテーターの粟生万琴氏からは、
「和真さんとはいろんなところでお会いしますが、こんなにチャレンジしていたとは知りませんでした。この世に生を受けて幸せを感じられるのは人間だけ。もっと自分を抱きしめて愛してあげてほしいなと思います。」
千葉信明氏からは、「初めてお会いしますが、心打つものがありました。原体験はいつかできるから、等身大の自分を受け入れて、そのまま突き進んでいってください。」
平山雄太氏からは「ぜひイスラエルのテルアビブへ行ってみてください。パレスチナと戦争してるんですけど街が明るいんですよ。彼らは天才を量産できると思っている。これってエコシステムが機能してるってことだと思うんですよ。今日はイスラエルというキーワードを覚えて帰ってください。」
とそれぞれエールをいただきました。
副賞として<イノベーターズガレージの利用券>が授与されました。
「中部経済連合会と名古屋市が運営しているイノベーターズガレージを使い倒して、しっかりとスケールしていってください。」
続いて株式会社Acompany高橋氏のピッチです。
「賞のコンセプトからも、事業の話よりAcompanyの会社について知っていただく話にしようと思います。私たちは「人が会社を選ぶ」というスタンスを大事にしていて、人から選ばれる会社になろうと努力しています。行動指針として「Be Cool」「Be Hacker」を掲げています(https://acompany.tech/about/)。プライバシーテックの市場は急拡大が進み、2022年には大手企業2社との業務提携を発表するなど加速し始めています。
私たちの会社は、2018年創業、今年で5年目です。創業期は家庭教師マッチングサービスをやっていましたがうまくいかなくて、プライバシーに関するプライバシーテックにピボットしました。プライバシー規制が強化される一方で、対応できる人材は不足している、という状況です。私たちはコロナの時期に成長してきた会社なので「完全リモートの就業形態」というのも特徴的かと思います。」
コメンテーターの平山氏より「どんなにテクノロジーについて安心、安全ですといっても素人にはわからない。そういった部分についてどうお考えですか。」との問いには、
「私たちは秘密計算で立ち上がっています。技術スタートなんですけど、理解していただくのがすごく難しかった。秘密計算にとらわれずに「いかにわかりやすく届けるか」に方向転換したところです。業界を横断する協会を作って進めているのですが、規格などのコンセンサスをわかりやすくするため法律と技術の整理などを行っています。また大手と組むことで大手の与信を借りながらパートナーシップを実装させる等、先に実績を作っていく、ということも並行して行っています。」
千葉氏からは、「事業としてはこの先ニーズはどんどん上がっていくだろうな、だいぶ先まで見えてるんだろうなと想像します。シニアミドル募集の話もありましたが、これが充足するとどうなるのか、何ができるのでしょうか。」
これに対して高橋氏からは「大きく2点あります。大手企業と業務提携してプロジェクトを進めている案件以外にスタックしている案件がたくさんある。さまざまな方に機会を提供できるかなと思っている。現在は‘若さとポテンシャルだけで最適解を作る’という状況なので、経験によるショートカットや、より良いカルチャーなど、若いメンバーとのバランスを実現して、新しいことへのチャレンジについても地に足がついた取り組みをしていきたいと考えています。」
粟生氏からは「高橋さんは新しい時代のリーダーだと思っています。強いリーダーというよりタグボート型のリーダーシップですね。引き続き頑張ってください」とコメントをいただきました。
副賞として、<ニューズピックス取材権利>が授与されました。
続いては、「社会人が選ぶ 働いてみたいまたは魅力あるスタートアップ企業賞」を受賞した、株式会社TOWINGの沖直人氏のピッチです。
「私たちは環境に配慮した人口土壌『高機能ソイル技術』をベースにした、循環型農業事業の発展や宇宙農業事業を展開している会社で、「高機能バイオ炭」を実現する微生物培養手法がコア技術です。月面で農業をやっていきたい、という思いを込めて最近社名ロゴを刷新したところです。
既存農業の課題として、化成肥料の枯渇や高騰(22年は戦争で2倍に高騰、23年にはさらに3割アップと言われている)、温室効果ガスの排出(全産業の約10%が農業由来)、大量の未利用バイオマス(もみがらなど一部畑に撒いているが利用手段がなく焼却、廃棄がほとんど)が挙げられます。一方で、化学肥料から有機肥料にいきなり変えると、収量は35%減、土作りに5年以上かかると言われています。その課題に向き合い製品開発したのが当社の人口土壌「宙炭(そらたん)」。カーボンクレジットの販売も進めています。」
コメンテーターの千葉氏よりカーボンクレジットへの言及があり、粟生氏からもカーボンクレジットの先駆的企業や協業先の提案をいただくなど、対話が活発に行われました。
副賞として<なごのワークバー&サウナのサウナ貸切利用券2時間>が授与されました。
さて、2日にわたって開催された『TOCKIN’ NAGOYA 2023』もいよいよ終盤です。イベントを総括して、名古屋市経済局長の西野輝一氏より
「最後のプログラムであるTOCKIN’ NAGOYA 2023 Awardsに参加いただきましてありがとうございました。コメンテーターの方々、さまざまな視点でコメントをいただきました。受賞者にはおめでとうございますではなく、敢えてありがとうございましたと伝えたい。この地域を牽引し、さらに多くの人たちを巻き込んでいきスタートアップを盛り上げていきたい。『TOCKIN’ NAGOYA』は、昨年はリモートで今年はリモートとリアルのハイブリッドで開催できました。幅広い観点で2日間ギュッと凝縮しまして、スタートアップという合言葉で話ができる場づくりを行ってきました。去年ピッチをしていたチームが今年は事業がこれだけ進んでます、とビジネスが進化している様子も伺えました。
今日は日本がWBCで世界一を奪還した記念すべき日でもあります。「ジャパン アズ ナンバーワン」を過去のものにしてはいけない。どのようにして世界一を奪還するか、皆さんと共に考えていきたいと思います。」とお言葉をいただきました。
イベントの締めくくりに、皆で「トッキン!名古屋!」と唱和して2日間に渡って開催された『TOCKIN’ NAGOYA 2023』は幕を閉じました。